8月 07, 2010

亀ちゃんとの別れ

亀ちゃんと明日お別れすることになった。

大阪府池田市の住宅街の道端で拾われたミドリガメ。4年前の夏、わが家にもらわれてきた。タマジがうちにやってくる少し前のことだった。最初は「ちゃんと世話する」と約束した青虫も、自分自身に忙しく、さらにタマジがうちに来てからはそっちに夢中で、亀ちゃんは次第にベランダの隅に追いやられた。

それから4年。特に可愛がられることもなく、かといって捨てられもせず、持ち前の強靭さで4回の冬を越してきた。最初はほんの10センチにも満たないほどだった亀ちゃん、今ではもう20センチほどになっている。その間、2回水槽をより大きいものに買い換えた。水道のないベランダで飼っているため、毎週の水換えがかなりの負担になってきていた。

そこへ願ってもない朗報!なんと、須磨の水族園がミドリガメを募集しているというのだ。母が新聞で見つけた。小さな記事だったが、母は見逃さなかった。母にとっても亀ちゃんの存在は小さな負担になっていたようだ。いい形でお別れできそうで、私も母も大喜び。

タマジを慕い、ベランダを歩くタマジの姿を見かけると、水槽から出て(というか落ちて)、必死でタマジを追いかける。タマジもまんざらでもない様子で、亀ちゃんが自分の尻尾に手をかけるまで悠々と寝転んでいる。でも、それ以上近づくと、ぴょんと高いところに逃げてしまう。まあ、なかなかいい関係だった。

爬虫類が苦手は私にとっては、亀ちゃんの世話は苦行のようなものだったが、哺乳類とはかけ離れた亀の生態を、ほんの4年でも観察できたことは、貴重な体験として覚えておきたいと思う。特にあの冬眠。冬のあいだ、5ヶ月間も何も食べずに生きている。春になるとちゃんと元気になる。想像を超える現象だった。

甲羅にいっぱい藻がくっついて文字どおり「みどり亀」になっても、ある日きれいにツルツルになっている。甲羅が成長して、古い甲羅が全部めくれるからだ。めくれた甲羅は全部ちゃんと「亀甲(きっこう)型」、六角形になっている。甲羅がめくれるのは日光浴の後と決まっている。亀ちゃんがせっせと日光浴をするのは、そのためもあるのかもしれない。

いろいろと教えてくれた亀ちゃん、どうか「亀楽園」で無事に寿命をまっとうしてください。

写真は、後ろ足をぴーんと上げて日光浴する亀ちゃん。ここから決死の覚悟で飛び降りてベランダを散歩する。そして、水槽に立てかけた梯子を上って自分で水槽に帰ってくる。なかなか頭のいい亀ちゃんだった。

最後まで名前は無かった。

2 件のコメント:

  1.  亀ちゃんとタマジの友情(?)に感動しました。
     最後まで名前はなかった・・・で爆笑!

     でもちょっと、文学的に感動。

     須磨に行ったら、名無しの亀ちゃんに会えるんですか?
    (カメにも良い水、あったんですけど・・・まだ言うか。)

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  2. 無事、亀ちゃんを託してきました。できたばかりの亀楽園も見てきましたが、なかなか良いところでした。少なくとも、うちのベランダよりは絶対いい。仲間もたくさんいるし。

    それにしても、「殺処分するのではなく、収容することで駆除する」というこの試み、世界初なんだそうです。限界はあると思いますが、でもなかなかいい発想ですね。須磨海浜水族園、今の園長さんの名前が「亀崎さん」なのですが、それで亀に優しいんでしょうか(笑)。

    「文学的に感動」?「カメに良い水」?なんか謎かけみたいですね(笑)

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