2月 26, 2011

お知らせ

コメントをしていただいても、すぐに表示されなかったり、コメントの数が実際のコメント数より多く表示されていたりと、コメント機能が少しへんになっているようです。

原因は不明なのですが、いずれ解決されると思いますので、どうか皆さんこれに懲りず、コメント下さいね!

それにしても、いったい何故なんだろう...?

2月 20, 2011

こつこつと

京都に松田道雄という小児科の医者がいた。ロングセラー『育児の百科』(岩波書店)の著者だ。わが家の子育てバイブルのような本で、親子代々参考にしてきた。

その松田道雄の晩年のエッセーの中の一節が妙に心に響いた。

「高官でもなく、タレントでもなく、富豪でもない人間であっても、毎日の仕事を翌日にのばさぬようにやっていれば、それはそれでなにものかでありうる。70有余年に近づきになった人たちからの年賀状をながめていると、そんな気になる。」

朝起きて、お弁当を作って、仕事に行って帰ってくるだけの毎日を過ごしていると、ついこんな毎日でいいのだろうかと思ってしまうけど、こういう言葉に出会うと、ああやっぱりこれでいいのかもしれないと思う。なんと単純な。

でも、まあ確かにその通り。縦糸に横糸を通して、トントンと間を詰める。この平凡な作業をただひたすら繰り返すだけで、おしまいには見事な布が織り上がるのだ。毎日こつこつと。これでいい。

路上のうた(つづき)

なぜ私が路上生活者に興味をもつかというと、たぶん私の父にその素質があったからだと思う。母という人がいなければ、父はホームレスになっていたかもしれないと。私もそう思うし、父を知る多くの人がそう思っていたにちがいない。でも、結果的にそうならなったことが、父にとって本当に良かったのかどうか、今となってはよくわからない。

路上生活という想像を絶する孤独の中にあって、犬や猫、その他の動物の果たす役割は大きい。季節の移り変わりなど、自然の風物もそう。故郷を想う気持ちも、ひときわ強いだろう。ホームレス川柳には、そういう心のありようが素朴なことばで歌い込まれていて、味わい深い。こういう川柳で、ホームレス同士が交流できないのだろうかと、ふと考えた。

ふと思いついたその考えをサナギに言ってみた。「この本を、無料でホームレスの人らに配ったらええと思わん?すごい共感できると思し、共感することで辛さも和らぐんちゃうやろか?」

サナギは手厳しい。「そんなん喜ぶわけないやん。こんな本読んで喜ぶのは、かーちゃんみたいに、自分は安全なところに身を置いて、悲惨な生活を上から眺めて優越感にひたるような人だけやで。」

思春期の女の子の言葉は、ときどき鋭いナイフのように心に突き刺さる。そのナイフがまだ突き刺さったまま、もやもやした思いが続いている。

でも、そういうサナギも、この本を学校に持って行って、「この歌、なかなか深いよな~」なんて言いながら、しっかりみんなで楽しんだのだ。...よくわからん。

2月 18, 2011

路上のうた

春のあしおとが...と書いたとたん、連日の雪。めずらしく神戸でも積もった。雪に慣れてない神戸人はもう大はしゃぎ!雪に悩む地域の人にはちょっと不謹慎と思われるほど、みんな気分が高揚していた。

でも、この突然の寒のもどり、辛い思いをした人も多かっただろう。

『ホームレス川柳 路上のうた』(ビッグイシュー日本編集部発行)を買った。

その中から、気に入ったものをいくつか。
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<春のうた>

散る花に 寝床取られる 春の宵  (髭)

春来ても 心の氷(すが)は 融けにくい  (髭)

<夏のうた>

食べ物の 賞味期限は 舌に聞け  (髭)

盆が来る 俺は実家で 仏様  (藤)

<秋のうた>

名月を あおぐ寝床に 蚊がいない  (髭)

<冬のうた>

寒いけど 大地に抱かれ 眠りつく  (藤)

野良猫と 同じ寝床で 暖をとる  (藤)

元旦に 鳩と眺める 初日の出  (草)

陽だまりは ホームレスにも 暖かい  (髭)

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季節をうたったもの、動物をうたったものなどは、やはり野外生活ならではだと思う。夏の間中、やぶ蚊と戦いつづけて、秋に蚊がいなくなったときの喜びをうたった歌は傑作。その生活をした人にしか詠めないうたが沢山載っていて、これまた不謹慎かもしれないけど、すごく面白い。4人の人がうたを載せているのだが、中でも特に、「髭」さんのうたがいい。

住むところも、家族も、身分も、もしかすると名前さえ無くしてしまっても、こういう歌が詠めるということは、きっと何もかも無くしてしまったわけじゃないのかもしれない。付属的なものがどんどん削ぎ落とされていき、人間の「核」のようなものだけで生きているのかもしれない。

わからないけど。

2月 10, 2011

春のあしおと

あちこちで梅のつぼみが色づいてきた。
もう咲き始めているのもある。
沈丁花も、どんどんつぼみがふくらんでいる。

梅や沈丁花の香るころ、このあたりでは
イカナゴの釘煮の匂いが花の香りと競い合う。

なんとなく、心がざわつく季節。


2月 02, 2011

近況いろいろ

気がついたら、いつのまにか2月。

仕事が繁忙期に入っている。年末調整、そしてそろそろ始まる確定申告。

と書くと、いかにも仕事で忙しそうに聞こえるが、実はこの1ヶ月ほどサッカーのアジアカップに夢中になっていた。去年のワールドカップ以来すっかりサッカーづいたという人は私だけではないようで、尊敬する中村桂子さんもそうだと知って妙に安心した。いや~、本当に面白かった!

チームで仕事をするということについて色々と共通することも多く、このザッケローニ監督と日本代表にはこれからも注目していくと思う。

いま職場は一人少ない状態で戦っている。一番ベテランの女性が癌で闘病中なのだ。その分をみんなでカバーしないといけないので大変な分、自分が成長するチャンスでもある。がんばろ。

加えて、所長の奥さん(20年前、私の義妹になるはずだった人)が突然、自己免疫系の難病を発症して入院。その影響で、なんと今、所長室にハリネズミが居る!

奥さんの一時帰宅の際に、感染症への心配から、ペットは置いておけないそうだ。それで職場に登場したハリネズミの「くるりん」。ハリネズミという名前だが、本当はネズミの仲間ではなく、モグラに近いそう。昼間はずーっと寝ている。餌はフェレット用のドライフード。朝出勤したら、まずくるりんの世話。楽しい(笑)。

ずっと寝てるだけの存在でも、人間以外の生き物が職場に居るというだけで、何となくほっとする。特にこれからの時期、忙しさで余裕がなくなっているときに、すやすや眠るハリネズミくんを所長室に見に行くことが増えそう... 小さいけれど、大きな存在。