12月 23, 2009

冬のタマジ

昼はベッドの上の陽だまりで...


夜はコタツの中で...

12月 02, 2009

見えない翼

 今 しずかに 時は流れすぎて 
 楽しかった音楽会も この曲がラストソング
 今 しずかに 耳を澄ましていると 
 何回も練習してきたメロディーが聞こえてくる
 
 見えない翼だけど 時間の壁をこえられる
 音楽という翼をかりて いつの日か思い出すこのときを
 忘れない 忘れたくない 思い出の音楽会を
 忘れない 忘れたくない 音楽会よ さようなら

という歌がある。臼井真という神戸の小学校の音楽教師が自分の学校用に作詞作曲した「見えない翼」という歌だ。それが神戸じゅうの他の小学校にも広まり、音楽会のフィナーレを飾る定番合唱曲となっている。音楽会のトリを担う6年生が最後にこれを歌いながら、音楽会が終わる。歌う側も、聴く側も、涙々で退場する。

この曲には一種の魔力がある。なぜか、ものすごく感動的で、涙を誘うメロディーなのだ。みんなこの歌の中毒のようになってしまい、これを聴かなければ音楽会が終わらないとさえ思うようになっている。

しかし、このたび、サナギの通う学校では、転任等で校長先生、音楽の先生、6年生の担任の先生などのメンバーがガラッと変わったこともあり、今年の音楽会では、この曲を歌わないという決定が下された。「ええっ!!何故!?」と、まず子ども達がみんなショックを受けた。6年生になって、この曲を歌うのを楽しみにしていたサナギも怒り狂って、家に帰るなり、私に何とかしてくれと訴えた。保育所卒園以来、一度も泣いたことのないサナギが、目に涙を浮かべていた。

これはいかんと思い、私自身も不満に思ったので、校長と、音楽の先生と、担任に宛てて、長い手紙を書いた。できるだけ冷静に書いたつもりだったが、結果的には情熱的な手紙になってしまった。何とか、あの歌を生徒たちに歌わせてあげて欲しいと必死で訴えた。それに対して、学校側の意向を伝えたいからと、後日、学校に呼び出された。校長先生、音楽の先生、6年生の担任の先生と話し合った。あまり納得いかなかったが、私ひとりの力ではどうにもならなかった。

実は、ここまでのことを10月に書きかけたていたのだった。でも、上記のとおり、結果が思わしくなかったので、書きかけのまま、この記事を放っていた。

ところが! 一昨日、私が仕事から帰ると、サナギが嬉しそうに、「かーちゃん、うちら勝ったで!」という。何が?と聞くと、なんと、「見えない翼」を歌うことになったという。音楽会はもう2日後に迫っているというのに!? 事情を聞くと、あれから私以外にも、多くの親が不平を訴えたそうで、最後にとうとう、PTAの本部役員のお母さん達までが校長先生に詰め寄ったらしい。そして、音楽会が目前に迫った先日、校長先生が「うん」というまで動きません、と言って校長室に5時間も粘ったらしい。それで、とうとう校長が折れたのだ。

そして、今日がその音楽会。インフルエンザで2度も流れて、ようやくだ。サナギの歌う「見えない翼」を聴いてくる。泣かずにいられるかどうか...

聞くところによると、他の小学校でも、この種の事件が何件かあったらしい。つまり、この歌を他の歌に変えると、保護者から猛烈な抗議がきて、結局また歌うことになるという事件。そんな歌なのだ。一種の魔物といっていいと思う。

というわけで、この記事の顛末を、日付を改めて投稿した。