4月 20, 2008

若葉の色

桜があっという間に終わり、すっかり若葉の季節になった。満開の桃や桜もいいけれど、次々と萌え出る若葉の方がもっといい。何より力強い生命を感じる。この時期、空気も、何となく若葉のかおりに匂い立つような気がする。毎朝毎夕、電車の窓から色々な若葉の色を楽しんでいる。

そこで、今年とくにはっきりと気づいたのは、若葉の色は緑色とは限らないということ。本当に色々ある。大きく分けると、緑系と、赤系。

緑と赤なんて、補色の関係にある2色、つまり色相的には全く反対の色同士なのに、その2色がともに若葉の色だなんて、なんだか不思議。

写真はベニカナメモチという、よく生け垣に使われている常緑低木の若葉。ほんとうに真っ赤で、日に透かすと、燃える炎のよう。その他、クスノキの若葉も出始めは赤いし、モミジにも、赤い若葉を出すものが多い。柘榴もそう。もしかすると、薔薇もそうかな?考えてみると、けっこう多くの若葉が赤系統なのだ。若葉は青いとは限らない。

そういえば、生まれたての子のことを、「みどりご」ともいい、「あかご」とも言う。やはり緑と赤。昔の人は、若葉の色になぞらえて、生まれたての人間のことを呼んでいたのだろうか。とすれば、何となく納得。

毎朝毎夕の若葉の観察は、私の一日の中でも、いちばんの至福の時。きらきら光る若葉もよし、また、どんより曇った日の、不透明で深い色もよし。どんな天気でも楽しめる。きれいな色を見るのは、決して視覚だけの喜びではないような気がする。宮沢賢治が『注文の多い料理店』の序文に言うように、それは、ある種の「たべもの」なのだと思う。朝日にきらきらと透ける若葉の色を見ていると、ほんとうに、お腹も胸もいっぱいになるのだ。こういう「たべもの」に飢えることが、私としては一番こわい。

(『注文の多い料理店』序文)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/43735_17908.html

2 件のコメント:

  1. 若葉なのに紅葉みたいで面白いですね。

    うちにあるコーヒーの木の若葉も、こんなにきれいな赤ではありませんが、かなり赤っぽいです。

    それにしても『注文の多い料理店』は、かなり好きな話ですが、その初版本ですかね、こんな序文があるとは知りませんでした。やはりすごい人だ。

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  2. でしょう?気をつけて見てみると、けっこうあるんですよね、赤い若葉。

    それにしても、コーヒーの木とは珍しい!

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