9月 07, 2007

風土と服装

通勤時にいつも通り抜ける「お初天神」(March 26, 2007 の日記、「お初と徳兵衛」で紹介した)。 朝、北側の入り口から入っていくと、最近なにやらとても甘い香りがする。色っぽい春のかおり。何だろうと思って匂いの源を探ると、「右近の橘」と書かれた柑橘類の木が、白い可愛らしい花をいっぱい咲かせている。これだったんだ。それ以後、通るたびにこの可愛らしい花の放つ芳香を胸一杯にいただいて、大阪の灼熱地獄を乗り切るための一種の清涼剤にしている。

あれ? でも、たしか柑橘類の開花時期は5月~6月のはず。(May 13, 2007 の日記、「風薫る」参照http://shirochou.blogspot.com/2007_05_01_archive.html) 
なんで今頃咲いてるんだろう? いわゆる「狂い咲き」というやつかもしれない。あまりの暑さに、植物も狂ってしまったのか、あるいは、野垂れ死にしそうなほどの地獄の熱さの大阪の、せめて空気だけでも香しくとの、神さまの配慮か。
(上の写真は先日、携帯電話で撮ったもの。柑橘類の花のもっと綺麗な画像はこちら:http://yuiits.web.infoseek.co.jp/kigonatu/g1/index.html

とにかく、大阪の暑さは異常だ。エアコンの室外機からの熱風による人工的な暑さだと思う。これだけの人間が集まり、これだけのビルが建て込んで、全部の建物、全部の人間がエアコンをガンガンにかけていれば、こうなるのは当たり前だろう。緑なんてほとんどない。海も山もない。あるのは人間と建物だけ..... 無理もない。

この灼熱地獄の中で、それでもスーツにネクタイで歩いている人がいる。気の毒に思う。暑いのにそんな格好をしなければならないから気の毒なのではなく、そうまでして社会慣習に従おうとする従順さが気の毒なのである。そして、その気の毒な人たちのために、建物の中はいつも寒いほどエアコンが効いている。ちゃんと日本の夏らしい服装をした人たちにとっては、とんだ迷惑だ。夏だというのに、なぜか防寒具が必要なのだ。

スーツにネクタイは、明らかに日本の夏にそぐわない。もともとは寒い国の服装なのだから。衣・食・住などといった基本的な事柄は、やはり風土に合ったものを選ぶべきだと、つくづく思ったこの夏だった。

4 件のコメント:

  1. はじめまして。お邪魔します。
    冷房については、あっしも電車ん中や勤務先でもさんざ苦しんでおりやす。
    「地球に優しく」とか、クールビズとか言ひながら、ガンガン冷房を効かすのがサービスだと勘違ひしてる輩が多ござんすねえ。
    暑いお方は上着を脱ぐことができますが、寒いと感じる人は重ね着をしなくちゃなんねえ。勢ひ、上着や羽織るものをわざわざ持ち歩く羽目になる。屋外はだらだら汗かくほど暑いのに。なぜ?誰のために?
     そもそも、暑い時期に暑いのを我慢するのは自然なことですが、暑い時に寒いのを我慢するってえのは甚だ不自然じゃあございませんか。身体に悪い。
     例へば電車のお客に多数決を取って、設定温度を決めたとお思ひなさい。その結果が今の電車の温度としませう。ところが、電車の中にはお年寄りや体調の悪い人も乗ってゐなさる。さういふ方は大概寒さに弱え。さういふ「弱者」に合せて温度設定するのが公共交通機関の運行者の責任ぢゃあないですかい?
    多数決が一番良い解決方法だなんて勘違ひしねえでもらひたいね。第一、その多数決すらとっちゃいねえでせう?電車通勤してかれこれ5年になりやすが、「冷房温度に関するアンケート」なんて受けたこともありやせん。それによく、サラリーマンや女子高生も「寒い」って言ってますよ。ンとに好い加減にして欲しいもんです。
     年寄りの繰り言を長々と書いてしまひました。ご勘弁を。

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  2. 公一さん、ようこそ!何ですか、その口調は??(笑)お年寄りに化けようっていう魂胆ですね。

    まあ、公共交通機関といっても、しょせんは営利団体だから、弱者なんかにかまっていられないんでしょうね。

    エアコン効きすぎにも閉口しますが、窓が開けられなくなってるのも残念ですよね。ひと昔前までは、電車の窓は自由に開けられたから、気候のいいときは、季節の匂いや風を感じられたのに。

    それが今は、完全に閉じられた空間になってしまって、車内で粗相(「気体」とか)があっても、空気が淀んでいるものだから、長時間、地獄の責め苦に遭ってしまいますよね!窓が開いていれば、そういう生物臭も多少は緩和されるのに...だからこんなに消臭グッズが流行るんでしょうね。

    職場にも、絶対に窓を開けたがらない男性がいて、窓を開けたい派の女性と衝突します。おそらく、家庭内でもこんな衝突ってあるんでしょうね。うちはみんな窓を開けるの好きだから大丈夫だけど。

    ということで、お互い長い電車通勤ですが、なんとか頑張ってやり過ごしましょう。

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  3. いえいえ、あっしなんざあ、本当に年寄なんです。
    昔っからおっさんくさいってよく言はれてましたけど、最近は、身体の方もめっきり・・・。
    一番感じるのは、怒りっぽくなったってことですね。車を運転してても、他人の違反が目について仕様がない。ひとりで「ボケ、カス」って言ってます。
    職場でも、春先に8つ年上の女性と衝突してしまひました。それまで仲良くやってたんですが、些細なことから、口も訊かない状態に。
    親しき仲にも礼儀ありってことの大切さを、身をもって思ひ知りました。
    白蝶さんの職場でも窓開けを巡って衝突があるとか。初対面の時はお互ひに気を遣ってゐらしたはずなんでせうけど、「慣れ」って怖いですね。

    それにしても「粗相(気体とか)」「生物臭」って、白蝶さんらしくてお上品ですねえ。
    そろそろ加齢臭に悩むあっしには人ごとではないんで、気をつけます。
    電車の窓が開かなくなったのは、多分安全上の問題なんでせうね。
    あっしは高校生の時に田舎でディーゼイルカーで通学してました。トンネルに入るとあわてて窓を閉めてたのが懐かしいです。車窓には田園風景が広がってて、文字通り季節の移ろひを感じられました。
    今は第三セクターになって、「くまがわ鉄道」といふレールバスが走ってますが、田舎の景色はあまり変り映えしません。機会があれば一度お乗りになってみてくんなせえ。

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  4. お返事遅くなりました。熊本はいいですね。去年阿蘇に行きました。今度行ったら「くまがわ鉄道」乗ってみたいです。

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