おっちゃんは、何度も賞を取るほどの凄腕の養豚家。朝起きてから寝るまでずっとブタのそばで過ごす。昼寝するのもブタと一緒。新聞を読むときもブタにもたれて。ビールを飲むときもブタのそば。ブタを相手にギターを奏で、犬や猫、牛や馬、猿や鶏もブタと一緒に飼っている。おっちゃんに負けず劣らず、動物たちもみんないい顔をしている。
おっちゃんは、ブタの世話の一切を自分と奥さんの2人だけでこなす。お産の世話や、手術もやる。子豚をできるだけ長く母親のそばに置く。そのおかげか、子豚たちの顔が何ともいえず可愛い。ブタにストレスを感じさせないことが、肉質にも影響するのだそうだ。当然だと思う。
おっちゃんと子豚 |
これが本当に日本?というような写真がたくさん載っている。
私のいたインドの村ではこれが普通だった。色んな生き物が人間とともに暮らしていた。
日本も、ほんのひと昔前まではそうだったはず。
お母さんの周りを駆け回る子豚たち |
日本の町は、いつのまにこんなに都会化してしまったんだろう。本当に。あっという間に。
毎年何万匹もの野良猫や野良犬が人間によって殺処分され、町の「衛生」が保たれる。
野良猫の糞よりも、もっと危険なものを、いまこの瞬間にも、人間は空に海に垂れ流しているというのに。
子豚とおっちゃん。まるで孫みたい。 |
見ているうちに、なんだか泣きそうになった。
なんか迷子になったような気分。
このおっちゃんのような暮らしに憧れていながら、実際は正反対の生活を送っている情けない自分。
私もまた、「都会の人間」という傲慢な種族の一員なのだ。
この春オープンしたばかりの大阪の駅ビル。 エッシャーの「だまし絵」みたい。 なんとなく現実感に欠ける。 |
海と山と多くの動物に囲まれたおっちゃんの世界、そして私の通う人間と機械ばかりの大阪駅。同じ国なのに、そのあまりのギャップにくらくらと目眩がしそうになる。
ずいぶん感傷的な日記になってしまったと反省しつつ、せっかく書いたのでこのままアップ。
三枚目の写真が、特に良いですね~。
返信削除とっても懐かしい気持ちになりました。
何か大事な忘れ物をしたような・・・。
「ブタ」って、悪口に使われるけど(「ブタに真珠」とか)、改めないといけませんね。
でもこのおっちゃん、やはり出荷するときは複雑な心境なんでしょうね。
いいでしょう!他にもすごくいい写真がいっぱい載っています。
返信削除土の匂いというか、そういうものがたまらなく懐かしく感じるときがありますよね。
ブタを出荷するとき、たしかに複雑でしょうね...まあでもペットとして飼っているわけじゃないので、野菜や米の農家と同様に、おっちゃんも誇らしい気持ちで出荷するんじゃないでしょうか。そして、野菜や米と同様、ブタも残さず食べてほしいと思っているでしょうね。耳から足の先まで全部(笑)。