4月 05, 2011

目にはさやかに見えねども

冬の寒い時期に、枇杷の木が花を咲かせていることを知っている人は少ないのではないだろうか。実は私も知らなかった。日高敏隆さんの本で知り、さっそく枇杷の木に近づいて確かめ、本当だ!と感動した。冬のさなか、遠目には分かりにくい、枯れ草のような茶色の花を咲かす。近づくと、ほんのりと芳香を放っていることに気づく。この地味な花が、初夏に美味しい黄金の実を結ぶなど、にわかに想像しにくい。

きっと被災地でも、本当の花や、人の花、遠くからは見ることのできない多くの花が咲いているに違いない。そして、いずれ立派な実を成らせるにちがいない。

甥っ子は目下、段差や階段に挑戦中

さて、後日談。無駄な電力使用に個人レベルで抗うため、エレベーターやエスカレーター、自動販売機などを使わないこと誓ったわけだが、なんのことはない、普段からあまり使っていなかったため特に何も不自由はない。ただ、エスカレーターは避けようがない場合がある。階段をなくしてしまって、すべてエスカレーターに変えてあるのだ。

よちよち歩きの子どもが、階段を上り下りできるようになったき、何ともいえず嬉しそう。でも、せっかく習得したその能力も、いずれエレベーターやエスカレーターによって無用のものと化するのだ。そうやって、人間はせっかく習得した能力を「便利」という言葉にだまされて、ひとつひとつ失っていくのかもしれない。それはいやだ。

家の前の桜は二分咲きぐらい

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