3月 26, 2007
お初と徳兵衛
別ルートでの通勤を模索し始めて1ヶ月。ようやく定まってきた。なるべく「川の下線」は使わない。(私はもはやあれを「東西線」とは呼ばない。※2/15の日記「恐ろしい事実」参照) これまで使っていた「川の下線」の駅から職場までは歩いて8分だったけど、今度は大阪駅から歩くので、たっぷり20分はかかる。まあそれぐらい歩いた方が体にもいいし。
というわけで、日本一乗降者数の多い駅を、一日で一番乗降者数の多い時間帯に利用する。もうほとんど「砂漠の砂のひとつぶ」と化す。なにせ、電車を降りて、ホームから改札へと降りる階段を下りるだけで1~2分かかる。人であふれかえって降りられないのだ。その間、ひたすら人間観察。 ああ、これって、みんな神戸方面から来た人ばっかりやから、こんな順番待ちに耐えられるんやわ、きっと。 もしこれが全員大阪人やったら、苛立って苛立って大変やろな...(→大阪人に対する偏見)とか。
そして、途中、曽根崎にある「お初天神」という神社を通って行くことにしている。本当は「露天神社」という名前らしいが、その昔、ここの森でお初という新地の遊女と、徳兵衛という商人とが心中をしたとかで、以来ここはお初天神と呼ばれている。有名な人形浄瑠璃「曽根崎心中」のモデルとなったお話である。お初天神の境内には、人形浄瑠璃のお初と徳兵衛が、仲良く寄り添う写真が飾られている。このツーショットを見るたび、なぜか涙ぐんでしまう。あの世でちゃんと結ばれたかな...とか思いながら。 毎朝、ここを通っては感傷的な気分になって、そのあと、すぐとなりに立っている「Africa」という安っぽくて派手なラブホテルの横を通るときに気分がさめる。
梅田の朝は早い。お店もみんな開いていて、いろんな匂いがしていて、汚くて、活気があって、なんとなくカルカッタを思い出す。
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