12月 15, 2012

とうとう合格!&根菜祭り

まずは、とてもめでたいニュース。私の勤務する税理士事務所の所長の弟さんが、この度とうとう5つ目の科目に合格、晴れて税理士となり、長かった受験生活をようやく終えた。働きながらなので、ほんとうに大変だったと思う。誰よりも所長が嬉しそうだった。ほんとうによかったよかった。

さて、私はといえば、かつては受験に注いでいたエネルギーを、今はもっぱら畑に注ぎ込んでいる。(いいのか??)

冬の畑は根菜王国。虫の被害がひどかった大根たちも、ぐっと気温が下がってから新しい葉っぱをせっせと出して、だんだん元気になってきた。あきらめずに虫取りを頑張ってよかった。

酢漬けにしたり、おでんにしたり、小かぶらなどはインド料理に使ったり、充実した根菜生活を満喫中。

そうするうちに、ふと図書館でかりたインド料理(渡辺玲さんの『誰も知らないインド料理』→面白くて分かりやすい!)の本を読んで、久々にインド料理熱に火がついてしまった。ちょっと季節はずれな気もするが、ちょっと色々作ってみようと思う。幸い、ベランダのプランターに沢山コリアンダーの葉っぱが生えてきた。去年のタネが落ちていたんだろう。


ベランダのプランター育ちのラディッシュ


紅芯大根2つ、総太大根(40cm!)、人参


小かぶら。虫にやられ始めたので一気に収穫した。
葉っぱも美味しい!


畑のおっちゃんから種をもらった聖護院大根
千枚漬けにしたらめちゃくちゃ美味しかった。


紅芯大根を切ったところ。
紅芯大根を酢漬けにしたところ。
鮮やかな紅色に発色する。
プランターに植えたニンニクの横に
ひとりでに生えたコリアンダー

11月 11, 2012

シフ2回目の平均律!

興奮している。

子どもの頃からずっと聴き続けているバッハの音楽。中でも一番好きな「平均律クラヴィーア曲集」の新録音が出た!それも、いま私が一番好きな演奏家、アンドラーシュ・シフによるもの。その彼の2度目の録音なのだ!グレン・グールドがゴールドベルク変奏曲を2回録音したのは有名だが、平均律を2度も録音する人は珍しいのではないだろうか。プレリュードとフーガを一組として全48曲。それら全てを、彼の別バージョンでもう一度聴けるというのだから、もちろん即、買った。

中学生ぐらいのときから現在まで、ほんとうに色んな人の演奏で聴いてきたこの曲集。今のところ自分の聴きたい(→いずれは弾きたい)バッハに一番近いのがシフの演奏だと思っている。細かいところまで行き届いた繊細な演奏。決してフォルテシモを使わず、アーティキュレーションとテンポの変化だけでフォルテシモと同様の効果を生む技術。ペダルを使わないところ。リピートを単なるリピートとせず、別のバージョンとして示してくれる、そのサービス精神とウィット。装飾音のセンスのよさ。良いところは色々あるが、私が何より納得するのは、彼がすべて暗譜(!)で弾くこと。ここが肝要な点だと思っている。

実際の目が楽譜を追わなくてよいということの生み出す効果はすごいと思う。脳の中の視覚的機能が実際の視覚から開放されて自由になり、頭の中で音が自由に踊り出す。(と、私は勝手に信じている。)それによって、あの時代の音楽の魅力である「即興性」が生まれると思う。その私の信念を実際の演奏として示してくれるのがこの人、シフなのだ。

ペダルを使わないピアノ演奏。そのためには指使いがすごく重要になる。それでなのだろうか、「シフによる運指記号付き」の平均律の原点版楽譜が出版されている!ということで、この楽譜も即買い。一度にずいぶんと買い物をしてしまった。でも、シフの録音を手本に、この新たに購入した楽譜を使って、私の小さなチェンバロ(※チェンバロにはペダルがない)で、一生をかけて1曲1曲練習していこうと思う。これで、私のライフワークのための道具がすべてそろった。

父が若い頃購入した平均律の楽譜は、書き込みだらけで、もうボロボロになっていた。そろそろ私自身の楽譜を買ってもいいなと思っていたところだった。家族にさんざん苦労をさせるだけさせて、何も残してくれなかった父だけど、少なくとも私にとっては、バッハの音楽という一生の楽しみを残してくれた偉大な父だった。父への感謝は、こうやって人生の後半にじわじわと湧いてくる。

興味のない人にとっては意味不明の記事になってしまったかも。


-------------------------------------------

さて、恒例の畑の備忘録。


夏の畑は実のなるものが多くて華やかだけど、実のなるものが何もない秋の畑も、葉物が多くて意外とにぎやか。蚊もいないし快適快適。何時間でも作業ができる。ときどきモズやヒタキが訪ねてきてくれる。日差しが温かいし、秋冬の畑っていいなあ~

2年目の秋は、大根に初挑戦。初めてにしては、なかなか上手くいっている。小カブは2回目。前は間引くのが遅れて上手くいかなかったので、今年はその点に注意して頑張っている。今のところ順調。あとは葉物野菜。菊菜、ほうれん草、ベビーリーフが真っ盛り。

菊菜(春菊)が思いのほか上手くいって、めちゃくちゃ美味しい!おでんに入れたり、ラーメンや蕎麦などの麺類の上に乗せてもおいしい。菊菜ってこんなに美味しいものだったんだ!



畑の甘柿。なつかしい柿の味がする。


初挑戦の大根


ベビーリーフ


小かぶ


菊菜


ネギ&ほうれん草


紅芯大根


ベランダで育てた苗
(えんどう豆&食用菜の花)



10月 21, 2012

秋本番

お彼岸を過ぎてぐっと涼しくなり、とうとう本格的に秋がやってきた。

少し古くなってしまったけど、写真の整理がてら、撮った順にアップしておこうと思う。まずは畑に行く道に咲いていた彼岸花から。なぜかサナギは彼岸花が大好きらしい。


彼岸花・ねこじゃらし・蓬

前回に続いて再び、大好きな野葡萄。前よりさらに色づいた。この宝石のような実を、誰が食べるんだろう。うらやましい。

野ぶどう

すごい台風がやってきて、それが去ったとたん、特大の虹が東の空に完全な半円形を描いた。しかも二重!家族全員でベランダに出て、原始人のように感嘆した。


台風のあとの2重の虹

露草の色があまりにも美しい藍色だったので、カメラで捉えられるかどうか挑戦していると、その花の中に極小サイズの蜂がいた。思わず、金子みすずの「蜂と神さま」という詩を思い出した。

 蜂と神さま

 蜂はお花のなかに、
 お花はお庭のなかに、
 お庭は土塀のなかに、
 土塀は町のなかに、
 町は日本のなかに、
 日本は世界のなかに、
 世界は神さまのなかに、
 
 そうして、そうして、神さまは、
 小ちゃな蜂のなかに。


そうして、そうして、神さまは、
小ちゃな蜂のなかに。

そして先週は待ちに待ったサツマイモの収穫!ヨガのaccoちゃんが大阪から手伝いに来てくれて、本当に大助かり。横綱サイズから、鉛筆サイズまで、色んな芋がいっぱい出てきた。


壮観!

このほか、いまの畑の収穫は、茄子と伏見甘長とうがらし(ひもピーマン)。特に、ひもピーマンは今が最盛期のようで、毎週大量に獲れる。甘くて柔らかくて美味!

大根を植えたけど、虫にやられるやられる。毎週何匹もの幼虫を虐殺している。ほうれん草は順調に育つ。あんまり虫が好まないのかな?

そろそろ玉葱とえんどう豆の植え付け準備をしなければ。秋の畑は忙しい!

9月 08, 2012

四季一巡

大好きな野葡萄が色づき始めた。いよいよ秋。そういえば数日前から空気に芳香が混じるようになっている。香りの源は知っている。近所に繁茂する葛(くず)の花だ。ちょっと葡萄に似た優雅な香り。それにオシロイバナの匂いも混じっている。

5月だけでなく、9月もけっこう風薫る季節だなあと思う。

野葡萄も色づき始めた

畑に大人のコオロギが姿を見せるようになった。可愛い声で鳴いている。そういえば、去年初めて畑を始めたときもコオロギが鳴いていた。そうか、あれからちょうど1年経ったんだ!

ピーマンの葉で休むコオロギ
ということは、これで畑の四季を一応ひととおり経験したことになるわけだ。まだまだ初心者だけど、それでもこの1年で本当に多くのことが分かった。

まず何よりも水がどれほど大切か。この畑には水源がないので風呂桶に雨水を溜めて使うのだが、雨の無い季節にはそれがからっぽになる。そうなると水が遣れず、作物が無残に枯れていく。苗の生育期など、本当に必要な時期に必要な量の水を確保すべく、綿密な水計画が必要なのだということがよく分かった。

作物の成長段階によっては、逆に水を遣りすぎてもいけないらしい。炎天下、私が苦労して遠くから汲んできた水を胡瓜などに遣っていると、農家出身のその奥さんが、「そんなに作物を甘やかしたら駄目よ~!まだ苗が小さいうちは水が要るけど、大きくなったら水なんてやらなくていいの。そんなに甘やかされたら根を張らなくなっちゃうわよ!そんなに毎日水やりしてたら、これからずっと毎日水遣りしないといけなくなっちゃうでしょ!」と、あきれ顔。なるほど。

次に土。素人ながら、どんな土が肥えていて、どんな土が痩せているのか、手触りや匂い、色などである程度分かるようになってきた。このたびトマトを植えた箇所の土がそうなのだが、痩せた土というのは、まるで粘土。雨が降ると恐ろしくぬかるんで、乾くとカチカチ。セメントみたい。そして無臭。それに対して、いい土というのは色んなものを含んでいる。木や草の腐った屑、虫、微生物等々。乾燥しても固くならないし、水分を含むと「す~ん」とした独特の香りがする。

あとは、何に関しても「タイミング」というのがいかに大事かということ。タネ蒔きのタイミング、苗の移植のタイミング、収穫のタイミング、水遣りのタイミング... タイミングを逃すと、ぜんぜん上手くいかない。天候をじっくりと睨みつつ、色んなタイミングを見極められるようになるのが畑作のポイントだと思った。

それから、ちょっと「エセ哲学的」になるが、作業というもののコツというか。つまり、とうてい無理だと思われる大仕事でも、目の前の課題だけを見つめてやっていれば、いつのまにか全体が達成できているということが身をもって分かった。例えば、20メートルの畝ぜんぶの草引きをしなければならないとする。畝1本ぜんぶを見渡すと気が遠くなる。でも、目の前の小さな範囲だけを見つめて、そこだけ草を引くと思ってやっていると、いつのまにか全部終わっている。

これを「千里の道も一歩から」と言ってしまえば、それまでのことなのだろうけど、実際に自分が経験して、その後この諺に出会うと、本当に腑に落ちる感じがする。諺というのは、そういう風にして学ぶとちゃんと頭に入るのになあと思う。

さらに、もうひとつの似非哲学は子育てへの応用。タイミングのことにしても、水遣りのことにしても、子育てをする上での教訓を含んでいるように思うのだ。子どもの状態をみて、構ってやる時期、放っておく時期、子離れ親離れの時期などのタイミングを見極める必要がある。タイミングよく手助けができれば、その子の生まれ持った特性を上手く伸ばしてあげられるのだろう。その見極めがいかに難しいか!

水遣りにしてもそう。子育ての場合、水に当たるのは何だろう?世話?モノ?お金?何にしても、過保護にすると自分で生きよう、伸びよう、必要なものを確保しようというような力が育たない。ある程度大きくなったら、適度に不足した状態にあえて置いておくことが必要なのだろう。(ただし、これが一番むずかしい!)

ちょっと深読みしすぎかもしれないけど、とにかく畑に居ると次から次へと色んなことに気づいたり考えたりする。そして、そこで気づいたことをやたらと他の分野に応用してみたくなる。

-------------------------------------------

さてさて!ここからは畑の近況。

早春にタネを蒔いて以来ずっと大事に育ててきた米茄子、その名も「ブラックビューティー」がようやく実をつけ始めた。今日ひさびさに畑に行ってみたら、そのビューティーちゃんが鈴なりに!


茄子って何だか色っぽい。


いっぱい獲れそう!

タネ取り用のオクラや、まだ成りそうなシシトウ、甘長トウガラシ、茄子などを残して、夏野菜をすっかり片付けた。

次は冬野菜の植え付け準備。長い畝を1本仕上げてきた。


種取り用においてあるオクラ


今日の収穫!

米茄子をいっぱい収穫して帰ったけど、タネの袋をよく読むと収穫時はなんと20センチぐらいに成長したときらしい。今日とったのは全部10センチぐらい。早すぎたかも!そのせいか、さっそく食べてみたら少々えぐい。ほんとに収穫のタイミングって難しい...


なぜか野菜の番をしているタマジ

「天神さんの朝顔」が花盛りを迎えていて、毎朝いっぱい咲く。電車から見ると、同様の小さな朝顔が線路脇でも花盛り。可愛らしい。ここだけまだ夏が残っているような感じがして、すがるように愛でている。

天神さんの朝顔が花盛り

9月 03, 2012

詩心

色とりどりのサルスベリの花びらが歩道に散って、金平糖を散らしたように可愛らしい。

蝉の鳴き声がアブラゼミ&クマゼミからミンミンゼミ&ツクツクボウシに変わって、そのツクツクボウシさえも、ときおり道で事切れた姿を見せるようになった。夏もとうとうおわりに近い。

この夏の読書の中で一番よかったのは、多田富雄さんの『生命の木の下で』(新潮文庫)。 多才な人で、免疫学の優れた研究者でもあり、能楽に通じてもいる。『生命の意味論』『免疫の意味論』といった専門分野に近い本も面白かったが、エッセイストとしての本領を発揮した『独酌余滴』が一番好きで、何度も読み返した。ことばの選び方がほんとうに上手で、控えめだけど強烈な、何ともいえない情緒をたたえた文章を書く。このたび読んだ本で分かったことだが、どうやら若い頃、詩に心酔していたらしい。どうりで!

北杜夫といい、中勘助といい、この多田富雄といい、私の好きなのはどうやら「詩のこころ」に通じた人の書く文章であるらしい。散文ではなく韻文。小説ではなく詩。だんだんはっきりしてきた。

この多田富雄という人、人生の全盛期に突如、脳梗塞に見舞われ体の右半分の自由を失う。そこから壮絶なリハビリを経て、また医者としての冷静な目を自分の体に向けつつ書いた『寡黙なる巨人』で、ふたたびエッセイストとして復活する。

その発作の前と後で、人生ががらりと変わった人であるが、今回読んだ『生命の木の下で』という本は、その発作のあとに出版された「発作前」の著作を集めた本。まるで自分の死後、自分の追悼集が出版されたのを自分の目で見届けたような気持ちだったのではないだろうか。

畏れ多いことだけど、静かにひとりでこの本を読んでいると、まるで旧友に再会したような気持ちになる。

8月 29, 2012

天神さんの朝顔

ゴーヤの花と並んで咲いている天神さんの朝顔

夏も終わりに近づいた今日この頃、ベランダでは小さな青い花をつける「天神さんの朝顔」が毎朝たくさん花を咲かせている。ゴーヤの花と並んでも大体同じぐらいの極小サイズの朝顔。

 数年前、仕事帰りに大阪の天神さんのそばの道端で咲いているのを見つけて、タネができるのを待ち、タネを採取して持ち帰り、家のベランダに植えた。野生的なのだろうか、ものすごい生命力でどんどん増えた。今では毎年どのプランターからも、小さな青い朝顔が芽を出し、夏の終わりを飾ってくれる。大ぶりの派手な朝顔にくらべて、なんともいえず愛くるしい。

朝起きるとすぐベランダに出て、この小さな妖精のような花が日の出の茜色の光に照らされて全員紫色に輝くのを目撃する。なんとなく私まで神の祝福を浴びたような気分になる。

8月 18, 2012

人体実験みたいな

暑い。

でも、畑ではもうコウロギの子どもが姿を見せているし、ウマオイも鳴いている。鈴虫の声も聞いた。季節はいつしか着実に秋にむかって進んでいる。

夏野菜の名残がまだとれる。ズッキーニ、きゅうり、オクラ。いつまでも畑に生やしておくと、畑のおっちゃんに怒られる。早く片付けて、次の冬野菜の準備せなあかん!と急かされる。でも、初めてのことだし、じっくりと野菜たちがどうやって朽ち果てていくのか見てみたい気がする。ほんとなら、そうやって朽ち果てるときにタネを落とし、放っておけば来年また同じ場所に胡瓜やオクラが生えてくるのだろう。そして、それらが自然に生えてくるときが、おそらく植え時なのだろう。そんな風な野菜作りはできないものか。そんな悠長なこと、やっぱり無理か。

この猛烈な暑さのせいか、最近よくものが腐る。先日は大量に作っておいた夏野菜のカレー、まだ誰も食べないうちに表面が腐っていた。朝、ちゃんと火を入れていたのにもかかわらず、夜帰ったときにはそんな状態だったのだ。あまりに悔しいので、表面だけ削って火を入れなおし、せっせと残りを食べている。お腹をこわすかと思ったけど、何ともない。我ながら強いお腹だと思う。他の人は食べてくれない。ま、いいけど。

そして今日も、ものすごく危険なものを食べた。

母もサナギも出払って、ひとりきりの昼ごはん。ひとつ自分だけの特別メニューを作ってやろうと思い冷蔵庫を見たら、早急に処理すべきもの発見!

1. ドライトマトのオリーブオイル漬け:この前作ったやつだが、焼き方が浅かったのか、
   ちょっと発酵し始めている。つまり腐りかけ。なんか発砲性のものになっている。

2. イギリスの高級チーズ:知人にもらった。青かび系のすんごい匂いのするやつ。
   食べるとちょっと舌に刺激がある。粉チーズが苦手な人は卒倒しそうなチーズ。
   それがちょっと残ったまま、いつしか数ヶ月(!)が経ってしまっている。

主に危険そうなのは上記2つ。これにニンニクのみじん切り、育ちすぎた自家製ズッキーニのスライス、古い雑穀パンをちぎったもの加えてフライパンで炒めてみた。

なんか非常に危ない香りがする。特に高級チーズ、ものすごく高級なイタリア料理店で香っていそうな匂いといったらいいのだろうか、ちょっと近所に申し訳なくなるような匂い。匂ったことないけど、もしかすると「くさや」って、こんな匂いなのかも...みたいな。ドキドキしてくる。

でも、見た目はなかなか美味しそうなものができた。スペインでは、残り物のパンで焼き飯ならぬ「パン炒め」を作るらしい。ミガスというそうな。何となく、それっぽいものができた。ベランダからとってきたバジルの葉っぱをたっぷり入れて、スペイン風パン炒めの出来上がり!


名付けて、「ドライトマトとズッキーニのスペイン風パン炒め」

しかし、これはスリル満点。死んだらどうしよう...と思いながら、思い切って食べてみる。

こ、これはっ!美味い~!しかも、このチーズの匂いが効いているではないか。ドライトマトを漬け油ごと全部入れたので、けっこう油っこいけど、その油がパンに滲みてパンがめちゃくちゃ美味しくなっている!ま、死んでもいいか、美味しかったし。

こうやって廃材で偶然美味しいものが出来上がるとめちゃくちゃ嬉しい。かくして、ひとりきりの昼ごはんは、往々にして秘めごとのような、人体実験のようなものになる。そうやって色んな細菌を腸内にたくわえて、少々のバイキンでは死なない体を作っていくのであった。(そのうち本当に死ぬかもしれない)

---------------------------------

関係ないけど、最近おもしろかったこと。新しい単語をなかなか覚えられないお年頃の母。「万願寺とうがらし」のことを、いつも「観音寺ピーマン」と言ってしまう。まあ雰囲気は伝わるからいいけど...(笑)

8月 12, 2012

初めての東京&自転車生活社

わけあって、このたび急に決まったサナギと私の東京ふたり旅。サナギにとっては初めての、そして私にとっても実質初めての東京行きとなった。

 行きは「こだま」でのんびりと。わざわざ「富士山が見えるほう」の席を購入。途中、ようやく待望の富士山らしきものが遠くに見えたけど、なにせ地理音痴の私達、ふたりとも自信がない。これは本当に富士山なのか?? 他にそれらしき山は無かったし...

向こうに見えるあれが富士山??(富士川を過ぎたあたり)

宿は浅草。旅をするときは基本的に国内であっても「異邦人」でいたいので、迷わず外国人用のホステル「サクラホステル浅草」を選んだ。本当に寝るだけのシンプルな宿。

地下鉄で夜の浅草に到着。地上に上がるとすぐに、同僚から事前に聞いていた例のアサヒビールの「きんと雲」を発見!さっそく写真を撮ろうとしたら、その隣に見たくなかったものが見えてしまった。ああ...やっぱりここにあったのか。

大きい、高い、速い等々の人工物を毛嫌いする傾向のある天邪鬼な私は、断じてスカイツリーなど見に来たのではない。が、きんと雲の写真を撮っていたら、まるでスカイツリーを見に来た観光客みたいになってしまった。なんて屈辱的な!なんと心外な!ということで、悔しついでに一応スカイツリーも入れてあげた。

なんか未来都市みたい...

さて、このたびの上京の主な目的、サナギにとっては何を隠そう秋葉原。いっかいは見ておきたかったのだそうだ。で、朝早く宿を出るも、きっと秋葉原の朝は遅い。ので、上野で降りて公園をぶらぶら。何気なく不忍池に行ってみると、それはそれは見事な蓮の花が大きな池一面に極楽浄土のように咲いている!あてのない旅で、こういう思わぬ風景に出会うのが一番嬉しい。

不忍池の蓮の花


サナギのリクエストによる構図


「かめがたまごを生みました(7/10)。ふまないでください」
と書いてある置き手紙を撮るサナギ
を撮る私。


そして、サナギは念願の秋葉原へ。最初は街の異様な雰囲気に気後れしていたものの、その後はまるで水を得た魚のようにすいすいとひとりで街を徘徊した様子。

私は付き合いきれず、駅前のカフェで一服。久々に紙の方の「白蝶日記」を書いた。

でも、この秋葉原という街、もとはマニアックな電気関係のパーツを物色するための街だったことが実感できたのは収穫。あちこちに、ものすごく専門的な部品やさんがあり、亡き父がいたら狂喜したであろうようなお店がいっぱい。父の影響か、私もこういう店を覗くと何となく心が躍る。

でもまあ、概して秋葉原は耳が疲れる街だった。常に節操無く音が放たれていて、いっときも休まることがない。そういう街はやっぱり苦手。

隅田川
その後、神保町に移動。古本街をふたりで徘徊する。が、日曜日のため休みの店が多く、街の雰囲気を味わうだけとなった。秋葉原とは対照的にこちらは音のない街。どの店も、本好きに配慮してのことか、店内がしーんとしていた。本当に「しーん」という音が聞こえるほど静か。

中古レコード屋で、グスタフ・レオンハルトのパルティータを格安で買ったり、古本屋で入院中の友達用に司馬遼太郎の『花神』全巻を買ったり(大阪にもあるとは思うが)、それなりに収穫はあった。

サナギのほうは、神保町で入ったレトロなカフェで、隣のテーブルのお姉さんたちが話していた話があまりに刺激的で、ずっと聞き耳を立てていた。何でも、「ジブリ作品の裏設定」とやらの、ものすごく専門的な話だったそうだ。そういう人達に出会うのも神保町っぽくて良かったかも。

ホステルは、本当に寝るためだけの場所だったので、夜はなかなか宿に帰る気にならず、隅田川の川べりでふたりでぼーっと夕涼み。酒盛り舟が次から次へと通るのをぼんやりと眺めていた。そして、視界にはまたあやつが!断じて見にきたわけではないのに、いちいち人の視界に侵入する!!

それにしても、隅田川、びっくりしたのはその川面の高さ。満潮だったのか、何らかの理由でたまたま水量が多かったのか、水面が怖いほど地面すれすれ。それなのに、誰も怖がる様子もなく、平気で川べりを歩いている。なんで??いま急に大雨が降ったり、地震が起きたりしたら、いっぺんに水に呑まれるよ!?なんでここの人たちは、こんな水面の高い川のそばに平気で暮らしているんだろう。誰か知っていたら教えてください。

そして、2日目の朝、もう宿を引き上げて新宿方面に向かうため、浅草に別れを告げた。神戸でいうなら新開地っぽい雰囲気のこの浅草という街は、私もサナギもなかなか気に入った。そういえばここはジャンプ連載の「こち亀」の両さんの生まれ故郷。両さんはこういう町で育ったんだなあ...と感じ入ることしきり。

浅草の、この場末な感じがよかった。
天気が悪かったので余計に雰囲気が出る。


浅草で。朝の猫ちゃん。

(さよなら浅草!と思って別れを告げたが、実はこの日、夕方また浅草に戻ってくることに。)


さて、2日目の予定はサナギは池袋(何があるんだ?)、私は明治神宮の森。ところが、あいにくの雨。サナギはひとりでさっさと池袋散策に行こうとするし、一方の私は大雨の中、森に行くのをためらって、計画がかみ合わずちょっと喧嘩別れのようになってしまった。仕方ないので、雨にもかかわらず私はひとりで予定通り代々木の森へ。若干すねながら。

原宿というのは本当に特殊な駅だ。表側はド派手な若者であふれ返っているにもかかわらず、ちょっと裏に回ると深い森でヒグラシが鳴いている。ものすごい対比。でも、「パワー」という意味では、何か両者に通じるものがあるのかもしれない。

雨の明治神宮
ヒグラシの声が一人ぼっちの淋しさを煽る

本殿に着くと、立派な楠木が出迎えてくれた。何にも邪魔されずに育つと、こんなにも伸びのびと枝を広げて、見事な樹形を作るのだなあと感心。本殿よりも、むしろこの楠を拝みたくなる。


立派なクスノキ!
ちょうどこの日は広島の原爆記念日だった。それと関係があるのかどうか分からないが、本殿に向かい合う長椅子に、軍服姿の少年が座っていた。とても静かに、瞑想するようにじっと長い間。何を思っているのか分からないが、その凛とした姿に一瞬、戦時中にタイムスリップしたかのような、あるいは時空を破って現れた幻影を見たような気分になった。

戦争でフィリピン沖に散った母方の祖父のことをふと思ってみた。多くの人が色んなやりきれない思いを抱えてこの神社にやってくるのだろう。靖国神社もまたしかり。

本当に色んな種類の樹木が茂っていた

明治神宮の森は素晴らしいというのを色んな本で読んだ。東京にあんな森があることを多くの人が誇りに思っているらしい。是非どんな森か見てみたいというのが訪問の動機だった。

確かに、木の種類がとてつもなく多いということが素人目にも分かる。そして、どの木もすごく元気そう。深い森の木々の間をひとりでゆっくりゆっくり歩いていると、ようやく心が落ち着いてきた。さっき喧嘩別れしたサナギに、次は穏やかに会えそうな気がしてきた。

私に合流すべく池袋から原宿に向かうサナギを待つ間、駅前で人間観察。ありえないような化粧と衣装の若者が次から次へと通り過ぎる。その付けまつげの種類の多さに驚く。カラーコンタクトあり、入れ墨あり。その装飾たるや、まるで少数民族の宗教儀式のよう。ある意味、神聖な感じがする。

そこへ突如現れたのが傘売りのおじさん。おそらく日本語は話せないのだろう、身振り手振りで、最低ランクのビニール傘を1本500円で売りさばいていく。傘は飛ぶように売れる。近くのコンビニの傘はもう売り切れだったのだ。なかなかやるな。おっちゃん。

原宿駅前に突如現れた傘売りのおっちゃん(黒人)

そして、私が何より注目したのは、このおっちゃんの商売道具であるこの自転車。可愛い3輪自転車だ。背面には、「サンリン自転車生活社」と書いてある。神戸に帰ったら、さっそく検索してみようと思い、ばっちり写真を撮っておいた。(さっき調べたら、すぐに見つかった。→サンリン自転車生活社

おっちゃんの自転車

池袋でちょっぴり迷子になったらしいサナギと無事合流し、食事するところを探すが、めぼしいところは軒並み定休日。どうしよう...新幹線に乗る前に最後に一回ぐらいちゃんとした店で食事したいし...ということで、浅草で見た「神谷バー」まで戻ることに。やっぱり浅草は落ち着くな~と、庶民の社交場「神谷バー」で、それぞれ好きなものを貪り食う。美味い!そして、私は念願の「デンキブラン」なるものを飲んでみる。これも美味い!!


これが電氣ブラン!

「電氣ソーダ」とか!(笑)

やっぱり浅草に戻ってよかったな~と、大満足で東京駅に向かった親子でした。ふたりとも計画嫌いなので、私達親子の旅はいつも無計画(えっへん!)。そして、まあ無計画なりに、なかなか楽しい旅だった。

家が浅草に近いばっかりに突如呼び出された同級生のKくん、産後で忙しいにもかかわらずいきなりメールで道案内をお願いしたNさん、お世話になりました。旅先で友達に会えるのは本当に嬉しい!

最後にまた浅草の夕餉待ち中の路地猫さん達をぱちり。

ちゃんと車に轢かれないところで餌待ち。

母へのお土産に(といいつつ、実は自分用に)、デンキブランを買った。

瓶も箱も、味もレトロな感じ。


で、だ。このサンリン自転車生活社、私の途方も無い夢:「田舎暮らしを、何とか自動車なしで実現したい」というものへの道を開いてくれるんじゃないかと思う。1台約15万円。払えない値段じゃない。屋根だってつけられる。形を工夫すれば、人だって乗せられるんじゃないだろうか。

インドでは、何でも自転車にくくりつけて運ぶ。どんな大きいものでも自転車で運んでしまう。そして人間もしかり(人力車の前に自転車をつける)。日本でも工夫次第でもっと充実した自転車生活が送れるはず、とかねてから思っていた。ようやく日本にもこんな自転車を作る人が出てきたんだ!

すごく未来が明るく見えてきた。ありがとう、傘売りのおっちゃん!(笑)

7月 29, 2012

保存食づくり

すさまじい暑さが続いている。さすがに日中は畑に出られない。ので、昨日は漬けてあった梅の土用干しなどやってみた。うまくいったらいいな~梅干。


畑の自然梅を梅干に!

先週たくさんもらったミニトマトでドライトマトに挑戦。でも天日に干さないため、ドライトマトというより焼きトマトのオイル漬け。簡単にできるわりに、味はなかなか本格的。美味しすぎて保存食にならない。

ミニトマトを半分に切ってオーブンで焼いてみた


十分焼いたあと瓶に入れ、
にんにく・バジル入りオリーブオイルを注ぐ。

キュウリの収穫が最盛期を迎えている。毎日だいたい3~4本。というわけで、ピクルスに挑戦。これも、簡単で美味しい。サンドウィッチにめちゃくちゃ便利。

水・酢・砂糖・月桂樹の葉・クローブ・マスタード等を
いったん煮詰めて冷ました漬け液に漬け込む。

そして保存食とは関係ないけどタマジ。この暑い部屋で(うちはリビングにエアコンがない)、わざわざパソコンの一番熱いところにお腹を当てて寝ている。電磁波治療でもしてるのか??

お気に入りの場所

そして、じりじりとマウスに迫る

サナギの手に自分の手が触れると安心して熟睡する。


それと、かねてから気になっていたこと。それは蝉の抜け殻の背中から飛び出した白い糸。何だろう何だろうと思って調べてみたら、面白いことが書いてあった。※昆虫の苦手な人は見ないで下さい。 →「空蝉の白い糸」

蝉のぬけ殻から出ている謎の糸


ちょっと気持ち悪い画像のあとは、口直しに爽やかな色の朝顔。ピンクや紫もいいけど、やっぱり青いのが一番すき。

ベランダのアサガオ