5月 26, 2010

変わる機会

まただ!口蹄疫で豚や牛が大量に殺されていて、やりきれない思いをしている人も多いと思う。こんなことが起こるたび、どうにかならないものかと思う。

鳥インフルエンザ、狂牛病、そしてこの口蹄疫。いずれも、人間の大量生産と大量消費のために、不自然な環境で育てたり、無理な人工交配を繰り返したりして「作られた」動物たちが犠牲になっている。草食動物に動物性飼料を与えたり、特定の血統を保とうとして近親交配を繰り返したり。もともと、動物をそういう風にして育てることに無理があるのだと、どうして誰も言わないのだろう?こんな事件が起こるたび、これは人間に対する警告ではないだろうかと思ってしまう。

本当かどうか分からないが、口蹄疫は放っておいても何日かすると治る病気なのだそうだ。人間なら小児科の病気に「手足口病」というのがある。それらは症状的にも、ウィルス的にも似ているのだそうだ。人間の子ならば、手足口病に罹ったからといって、あんなに大騒ぎしない。まして殺処分なんて考えられない。それが家畜ならば、こんなに大騒ぎして、何十万頭も殺処分にされる。

こんなことで、子ども達に、どうやって命の大切さを教えられる?命の大切さというとき、そこには人間の命しか入っていない。人間は殺してはいけないけど、動物はいくらでも殺してよいのか?なぜなら動物は食料だから?動物には感情がないから?いや、豚や牛にも感情はある。人間に飼ってもらえない犬や猫の殺処分も、毎年毎年ものすごい数にのぼっている。人間生活の邪魔になるからという理由だけで。

人間はきっと、いつか自然界からとんでもない大打撃を受けるだろうと思う。それまでに、他の生き物に対するこの傲慢な態度を改められるといいのだが。その機会は、こうやって何度も与えられているのに...具体的にどうすればいいのか、というのはよく分からないけど。でも、たとえば、同じ肉を買うにしても、たとえ値段は高くとも、より自然な形で飼育している農場の生産物を買うとか?

3年前にも同じ内容を、故米原万里の言葉をひきつつ、鼻息荒く書いていたようだ。

 「大体数の人々が、自分自身か、自分の家族か、あるいは身近な人々が生き物を殺し食物としていくプロセスを日常的に見知っているあいだは、無駄な殺生を戒める倫理観や美意識が、どの民族の宗教や風習にも息づいていた。
 しかし、分業が進み、防腐・冷凍技術が発達し、輸送運搬手段が発展を遂げるなかで、生き物が食べ物になっていくプロセスは、殺生も含めて圧倒的多数の人々からは隔離された形で進行するようになった。」

「数年前、騒がれた狂牛病(BSE)や、鶏の奇病、いずれも自然な環境に生息する動物ではなく、人間による大量生産と大量消費のために、過度に密集した生息環境に置かれ成長を促進するホルモンや薬物を投下された家畜が発症している。」

「今の、食料をまるで工業製品のように生産し、消費物資あつかいするあり方を続ける限り、食中毒問題は、今後も限りなくわれわれを襲ってくるだろう。これは、命を削られる生き物たちの復讐でもあり、人間に対する警告でもある。」
復讐あるいは警告

5月 16, 2010

薔薇を匂いに


風薫る5月。5月に香る花は色々あるけれど、バラはやはり別格かもしれない。うちの裏の山でも野ばらが満開で、あたり一面に芳香を撒き散らしている。

バラを育てている人のブログに、バラによって香りが全然ちがうと書いてあって、どうしてもその香りの違いを知りたくなった。

というわけで、職場近くの中ノ島バラ園に、薔薇を匂いに行ってきた。

確かに、ぜんぶ香りが違う!香水みたいに甘くゴージャスな香り、酸味を含んだ瑞々しい香り、桃を思わせるフルーティーな香り、ピリッとしたスパイシーな香り、酔っ払ってしまいそうなワイン系の香り... 画像で香りをお届けできないのが残念!

透き通るようなピンクのバラ。香りは普通。

不思議な色をしたオレンジ系のバラ。葉っぱの色もオレンジがかっている。
フルーツ系の香りがした。と思う。

いちばん香りの強かった黄色いバラ。色も綺麗!

この、ちょっと黄味がかったピンク!私の一番好きな色。匂いは忘れた。

それより、もうちょいオレンジが勝った、アプリコット色のバラ。この色もいい。

スパイシーで、大人っぽい?香りがした紫色のバラ。

そして、フリルつきドレスを着たお姫様のようなバラ。匂いはどうだったかな...

きっと、バラの種類に詳しい人なら、これは何々系統の何とかって、すぐに分かるんだろうけど、私には全然わからない。

ネームプレートも見ずに、ひたすら犬みたいに匂いばかり嗅いで回った。

職場の近所のミニ薔薇。飾り方がなかなか粋。

昼休みの1時間、いろ~んな薔薇を匂いまくって、事務所に戻る頃には、もう酔っ払ったようにフラフラに...薔薇の香りは、人を酔わせる。あ~、しあわせな1時間だった!

5月 15, 2010

演劇

さなぎの中学生活の始まりは、まずまず順調。最初、電車通学で疲れていたが、それにも徐々に慣れてきた様子。そろそろクラブの選択期限が迫っており、さなぎは何を選ぶかと思えば、なんと演劇部!

入学前はギター部だと言っていたけど、各クラブの学院祭でのステージを見て、演劇部が気に入ったらしい。音楽系だといいなとひそかに思っていたのだが、期待は見事に裏切られた。音楽関係ならば、私も色々口出しできたのに。舞台芸術なんて私にはまったく未知の世界。演劇など、生まれてこのかた観たこともない。

自分が知らない世界に、自分の子どもが入っていく...これから、ますますこういうことが増えていくんだろうな。そういう時期にさしかかっているのかもしれない。これを機に、私も少しは演劇に親しめるかな?観劇している自分なんて、今はまだ全然想像できないけど。

5月 04, 2010

また北野

昨日は、インド帰りのaccoちゃんと神戸の北野を散策。いい天気で気持ちよかった。さなぎが今の中学校に縁付いて以来、よく北野をうろついている。震災以来だろうか、以前のような気取った雰囲気がなくなり、ほどよくさびれて、歩きやすくなっていると思う。

前から気になっていた、ハンター坂の普通の団地の一室にあるテワリさんのインド食料品店併設のインド家庭料理(ほんとに家庭の中で食べる)に、とうとう行ってきた。正式名を「クスム本場家庭料理」というらしい。完全菜食のお宅で、しかも妥協のないインド流おもてなし(色んな意味で本場...汗)のため、一緒に行ってもらえる人は限られる。というわけで、適役のaccoちゃん(@ヨガ行者)と行ってみた。

月曜は定休日とのことだったけど、食べたいと言えばすんなり開けてくれた。何事も頼んでみれば何とかなるというのもインドならでは。

 これに、サモサ2つ、タマリンドの甘酸っぱいチャツネ、コリアンダーの辛いチャツネ、アチャール(ピクルス)、あま~いマンゴージュース、サラダ、チャイがついて、しかも食べ放題で、980円。美味しかった!特にダール(インドの味噌汁的な豆スープ)は、久しぶりの家庭の味で、あまりに懐かしく、おかわりしてしまった。



そして、別室のテワリさんの食料品店で、大好きなアチャール(ピクルス)をテイクアウト。具は人参、レンコン、カリフラワー。

北野には、神社やお寺は当然のこと、キリスト教のカトリック教会、バプテスト教会、イスラム教のモスク、ジャイナ教(ヒンズー教の一種)寺院と何でも揃っていて、無いのはユダヤ教のシナゴーグぐらいかなと思っていたら、なんとシナゴーグもちゃんとあった。accoちゃんが地図で見つけてくれた。

ということは、北野という狭い一角に世界の主要な宗教施設が全部そろっていることになる。しかも、観光用ではなく、全部ちゃんと日常の礼拝に使われているというのが、改めてすごいと思った。

上は、大理石造りのジャイナ教のお寺。すんごい豪華。というのも、神戸のジャイナ教徒(グジャラート州からの印僑たち)は、古くは綿織物、ついで真珠の商いで大儲けして、北野一円の大地主となり、今でも非常に裕福な生活をしているのだ。写真は前に撮ったもので、扉は閉まっているが、昨日は開いていた。中に入ると、ジャイナ教徒の一家が総出で朝のお祈りをしていた。ご神体は、金銀で飾られた美しい女神さま。神戸に住んで何代にもなるだろうのに(だからこそかもしれないが)、ずっと厳格に信仰を守り続けている。

そして、これは北野で出会った可愛い猫ちゃん。


というのは嘘で、ただのタマジ。

「遊ぼ!」と言っている。