1月 20, 2010

国語

『モモ』を読んで、すっかり読書づいてしまった。

『流れる星は生きている』(藤原てい)、『父への恋文』・『母への詫び状』(藤原咲子)と読んできて、いま『祖国とは国語』(藤原正彦)を読んでいる。これらの著者たちは、みんな作家、新田次郎の家族(それぞれ、妻、長女、次男)であるが、なぜか新田次郎の作品だけ、まだ読んでいない。

まずは、お母さんの藤原てい著、『流れる星は生きている』を読んで、衝撃を受けた。満州からの壮絶な「子連れ引き揚げ体験」を描いた作品である。よく「満州からの引き揚げ」という言葉を聞くが、その内容がこんなにも過酷なものだったとは思っていなかった。

過酷な体験の爪痕が、世代を下っても、なかなか消えないものだということを、しみじみ感じさせるのが、娘の藤原咲子さんが書いた2冊。いろんな意味で、読むのが辛かった。

でも、息子の藤原正彦さんの本は、なぜか妙に明るい。そして、面白い。数学者であるにもかかわらず、いや、それゆえにかもしれないが、国家の根幹は「国語」であるという。それをおろそかにすると国が滅びると。すごく共感する。

サナギにも、まずはしっかりとこの国の言葉を習得してほしいと思う。まずは神戸のことば。そして、日本語。ほかの国のことばに触れるのは、その後でもいい。

1月 19, 2010

合格!

去年の2月ごろ急に受験すると言い始めてから約1年間、夏休みからは塾にまで通って頑張ってきたサナギの受験勉強の結果が、昨日とうとう出た。第1希望も、第2希望も、どちらも合格だった。よかった、よかった。

はじめに受けると言っていた西宮の難関女子校は結局あきらめた。受けたのは、うちから比較的近くにあるカトリック系の女子校。それでも、まあ本当によく頑張ったものだと思う。何より、自分で自分の進路を決め、それに向けて頑張ったことがよかった。もちろん、私も母も協力はした。でも、選んだのは自分だという感じを持ちながら進んで行けるだろうと思う。

それにしても、結局最後まで一度も週刊ジャンプの購読を欠かさなかったというのには、あきれるというか、立派というか。あくまで自分の本筋(マンガ)を固持しつつ、やるべきことがやれたと考えるべきか、あるいは単なる逃避だったのか。今となっては、前者と考えていいのかもしれない。

もうひとつ面白いのは、試験が近づくにつれ、ピアノを弾く時間が増大していったこと。これは私も経験済み。難しくて、なかなか仕上がらなかった曲が、試験が近づくと何故か仕上がるのである。さなぎも、久石譲のピアノ曲集を買ってきて、けっこう長い曲をなんと2曲も仕上げたのである。それまで、ヘ音記号が読めず、左手は私が読み仮名?をふってあげていたのに、この秋ごろから、ヘ音記号まで自分で読み進め、ずんずん暗譜していった。受験勉強とピアノは相性がいいのかもしれない。

さあ、今度は私が頑張る番だ。これから10数年間、なんとか頑張って稼がなければ!

受験勉強の邪魔をしてはいけないと、ずっと帰省を我慢していた妹が、明日、甥っ子を連れて帰ってくる。いま生後8ヶ月ぐらい。早くも「いざり」(這い這いの前段階)を始めているという。どんなになっているのだろう。会えるのが楽しみ。あ、でもその前に家を片付けないと... いざる子のために、せめて床面だけでも綺麗にしておかねば。

1月 04, 2010

モモ

『モモ』を読み終わった。素晴らしかった。こじんまりとまとまった、宝石のような物語だと思う。途中なんども泣きそうになるのをこらえながら、一気に読んでしまった。さなぎはまだ最初の方しか読んでない。

私の悪い癖は、読んだものに含まれる風刺や教訓を、すぐに自分の暮らしに反映させようとすることだ。たとえば、1ヶ月以上ほったらかしにしていた亀ちゃんに急に優しくしてみたり(物語中、亀が重要な果たすのだ。笑)、急に色々と反省してみたり。

特に、仕事が冬休みに入ってから、みっちりさなぎの受験勉強に付き合って、というか焚きつけ役になって、毎日勉強を促しすぎていることを反省した。さなぎが12月いっぱいで塾を辞めてしまったこともあって、私が協力してあげなければと、妙に張り切っていたのもある。何もかも棚上げにして、ひたすら受験勉強に付き合った。 ところが、そもそもそれが何のためなのか、急に分からなくなってしまったのである。

そして、さなぎにもこう言ってみた。「今のこの時期に、この本に出会ってしまったっていうのは、すごい皮肉やわ。いや、逆に今やからこそ出会ったのかもしれん。きっとこれは天からの警告なんやわ。だって、受験勉強っていうのは、やっぱり時間どろぼうに時間を奪われることであって、そのあいだ、時間が死んでいってるのかもしれんもんな。あんまり追い込むなってことなんかも...どうしたらいいか分からんようになってもたわ。」

すると、さなぎがひとこと、「ファンタジーと現実をまぜたらあかんで。ファンタジーを読むときに一番したらあかんことは、それを現実にあてはめようとすることや。」

そう言い放って、またマンガ(勉強ではなく!)の世界に戻っていった。

うーん、ますます訳が分からん...

とにかく、すごい本であることは分かった。私の将来の魔女生活に必携の一冊。

1月 01, 2010

トラでございます

新年あけまして おめでとうございます

2010年 寅年

おかげさまで、無事新年を迎えることができました。
今年もまた何とか生き延びていきたいと思います。
皆様もどうかこの1年、健やかに穏やかにお過ごし下さい。

去年はさなぎの受験に関連して、すべてがそれを中心に回った一年になってしまったような感じ。今年はそれも落ち着いて(いることを願う...)、自分の仕事について真面目に考えられるようになるかも??

でも、それをきっかけに首を突っ込んだ通訳・翻訳の世界、もう少し模索してみようかと考えている。久々に英語の勉強もしてみようかな。ウルドゥー語だけでなく、ヒンディー語とベンガル語も再開してみようかな。もちろん税務の方も勉強しないと。

と、欲張りなことを書いてみたが、実際は新年早々ダラダラとコタツに入って本など読んで過ごしている。今年一番に読もうとしているのは、ミヒャエル・エンデの『モモ』。さなぎの誕生日(おととい)プレゼントに買ったつもりが、自分で読んでいる。あまりに多くの人が、この本に言及するのに接すると、やはりこの本を知らないでいては不便だと思い始めた。ということで、ようやく読んでみる気に。

最近よく思うこと。もっと年をとって、仕事がそれほど忙しくなくなったら、気の合う女ともだち数人と一緒に田舎に移り住み、近所の野山で野草や薬草を集めたり、畑で野菜を作ったり、一緒に料理したりして暮らしたいと思う。古い魔女のように。それが一番心穏やかに暮らせそうな気がする。そんなことを夢見ている。

今は、それとは対極にあるような大阪の街に、満員電車で出かけていく毎日だけど...