その後のさなぎは、毬栗(いがぐり)坊主になってご満悦だったのも束の間、ショートヘアの常で、すぐに伸びたように感じてしまい、また切ってくれ切ってくれとうるさい。「もう切るとこないわ!」と断ると、今度は剃ってくれという。「剃ってぇ~!剃ってぇ~!」と毎日せがまれる、というか試されているような私。辛いことこの上ない。何をどう試されているのだろう。それもよく分からない。
ところで、オバマ大統領が就任した。なぜか感慨深い。さなぎの父親は、政治にすごく関心があった。自分の父親が政治評論家だったからだろう。政治に全く無知な私とは対照的だった。アングロサクソンの支配するアメリカで、黒人の血の混じった大統領が誕生したと知ったら、彼はどう思っただろう。きっと興奮したにちがいない。
明らかに父親の血を引いているさなぎ、我が家には珍しく、政治に関心があるもよう。ニュースを見ていても、政治の話題になると、きっちり聞いている。選挙の方式などにも興味があるらしく、大統領の選出方法など、私に尋ねてくる。そんなん、私が知ってるはずがない(知っとけよ!)。私には、人間社会のことよりも、蝶々の生態や、草花の戦略などの方がよほど面白く思える。でも、さなぎは、あくまで人間社会に興味があるようだ。私の子とは思えない。
で、日本の政治。混迷を極めていて、今の首相もダメ、代わりにオザワがやったとしても、きっとダメだろう、みたいな話がよく持ち上がっている。私も何気なく、「誰がやってもあかんやろな...」と言ったら、それまで真剣な顔でテレビのニュースを睨んでいたさなぎが、いきなり、「も~~~あたしにやらして!」と叫んだ。これは大ヒット!(笑) さなぎの父親が聞いたなら、顔を崩して喜んだことだろう。何しろ、娘を名づけるのに、性別の違いにもかかわらず、彼の尊敬するインドの首相(ジャワーハルラール・ネルー)のファーストネームを使ったぐらいだ。この力強い「あたしにやらせて!」を、あの世の彼に届けたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿