サナギは、夏期講習が終わっても、続けて塾に通うことを決意。彼女は勉強に、私は収入増加に向けて頑張っている。典型的な受験スパイラルに、すっかり巻き込まれてしまった。
それと並行して、サナギはなんと司馬遼太郎を読み始めている。『新撰組血風録』という分厚い短編集を一気に読み終えた。なんでも、彼女の好きなジャンプの漫画家が、この短編集を熱愛しているからだそう。今は、続いて『燃えよ剣』を読んでいる。幕末~明治のマンガの元ネタを知りたいからだそうだ。どんどん男前になっていく...
で、考えてみれば私は司馬遼太郎の書いたものを、これまで何一つ読んだことがないことに気がつき、この際わたしも読んでみようと思って、とりあえず『司馬遼太郎が考えたこと』というエッセー集を古本屋で買ってみた。私は小説は苦手。特に歴史物は全く無理。でも、エッセーなら読めるだろうと思ったわけだ。
読んでみて、まったく印象がちがった。もっとゴツゴツした、読みにくい文章かと思ったら、まったく逆で、何の抵抗もなく、するすると流れるように読めてしまう。こんなに読みやすい文章を書く人だったのか、と感激。内容もめちゃくちゃ面白い。かなり昔に書かれたエッセーであるにもかかわらず、ものすごく新鮮に感じられる。すぐに第1巻を読み終わり、昨日第2巻、第3巻を買ってきた。
神戸のことを色々とほめてあるのが嬉しい。ほめ上手だ。大阪のことも愛情こめて書いてある。郷土のことを色々知るのが、こんなに楽しいことだとは知らなかった。
ジャンプから、思わぬ展開である。